8時前にホテルを出ることはできたが、朝食を取ろうとしたら日曜日のせいか時間が早すぎるせいか、どこもパン屋はやっていなかった。仕方なくホテルの周辺で朝食を取ることをあきらめて、今日の最初の目的地、ヴェルサイユに向かう。リュパブリックからオーステルリッツ駅まで5号線で行き、オーステルリッツ駅でヴェルサイユRG行きのRERの乗り換えた。RERには列車種別がVICKと出ていたがなんのことだかいまいちわからない。昨日乗ったRERにはNORAとか出ていたが、普通とか快速とか、そういうことか?VICKは普通に全部の駅に止まり、9時前にはヴェルサイユの駅に着いた。
朝食が食べたいのでヴェルサイユ宮殿とは反対側のヴェルサイユの市街地を歩いてパン屋を探すが、ない。パン屋は全部閉まっており、肉屋などしか開いていなかった。仕方ないので駅まで戻りマクドナルドを見つけて入った。ベーコンエッグマフィンとヨーグルトが95セントだったので2人ともそれを食べ、自分はコーヒーももらった。また同じ店舗に簡単なパン屋が入っておりクロワッサンも買えた。
食後ヴェルサイユ宮殿に向かう。ブルボン王家の歴史の説明、王と女王の居住空間、王子の居住空間、王女の居住空間を見て回った。ここだけでなくオーストリアの王宮とかでも同様だったけど、どの部屋も壁から天井からびっしりと絵が描きこまれており見事だがごてごてとした印象を受け、そんな部屋に住んでリラックスできたのだろうか?高山陣屋とかで見れる日本の江戸期の部屋のほうがすっきりしており現代的でセンスがいいと思う。部屋はいっぱい見たので王妃の寝室以外はあまり記憶がない。王妃の寝室ではマリーアントワネットが1789年の革命時にヴェルサイユに民衆が押し寄せてきたときに逃れたドアというのが印象に残っている。解説は一部の部屋で英語が出ており助かったが、ほんの一部で全体的にはフランス語を読めないのなら音声ガイドを借りないとなにがなんだかわからない。だが音声ガイドに従って全部見ていると時間がかかるので本当は見所のある部屋の解説がついているガイドブックがあればよかったと思う。
宮殿を出ると雨がぽつぽつ降っていた。庭園をついでに見ていこうとするが、今日は「大噴水祭」というのをやっていて普段無料の庭園を見るために8ユーロも取られるという。『地球の歩き方』によれば「大噴水祭」は土日祝のみの開催でほかの日は無料ということなのでこの情報を信じて明日また庭園だけ見に来ることにして今日はパリの他の場所を回ることにした。
帰りは12時過ぎにヴェルサイユRGからRERに乗り、ポンドアルマの駅で降りてアルマ橋を渡り、市立近代美術館に行く。雨は上がっていたが、とても蒸し暑い。市立近代美術館は展示件数は少なかったが、半楕円形の部屋を占めるデピュイの『電気の妖精』が見事だった。
次にコンコルド広場横のオランジェリー美術館に行く。ここの1階には楕円形の部屋全体を占めるモネの『睡蓮』が2部屋もある。『睡蓮』はいくつも見ているけどこんな大型が見られるのはここだけだろう。絵が完璧に楕円形の壁に沿って配置されているのでいったいどうやって製作したのかと思う。解説はフランス語しかなくて、モネがこの絵とアトリエにいる写真があったのでアトリエで制作したのだろうが、どうやって部屋にあわせて曲げたのだろうか?フランス語、できなくてもあまり困らないけど、もうちょっと読めたら解説とかわかるのに。ちょっと残念だ。
オランジェリーを出て、チュルリー庭園を通ってヴァンドーム広場を通り、オペラまで歩く。ヴァンドーム広場はパリで一番豪華な広場というだけあってブランド店などが周辺にたくさんあったが、今日は日曜なのでみんな閉まっていた。
オペラ周辺でかなり遅い(4時くらいかな)昼食にすることにした。フランスのハンバーガーショップらしいQuickというのに入ってみたかったのだけれど、メニューを見たらバーガーだけで6ユーロ超とか結構高かったので隣にあるマックに入った。マックはセットで7ユーロ以下なのでQuickよりは安い。
昼食後、オペラから地下鉄に乗り、古着屋が見たいからエティエンヌマルセル通りに行くが、店はだいたい閉まっていた。ちょっと変な方角に歩いたみたいでサンティエの地下鉄駅が見つかったのでそこからランピュドゥーまで地下鉄に乗り、次にポンピドーセンターに行く。
ポンピドーセンターの国立近代美術館は意外と収蔵点数が多く、簡単に見て回ろうと思ったのに時間がかかった。4階の現代美術からはじめ、5階のブラックやピカソ、マティス、セザンヌなどを見て回る。ピカソはいくつもの部屋にわかれてたくさんあった。日本ならピカソが1つあれば美術館が建てられるほどなのに贅沢だ。大学のモダニズムの授業に出てきたマルセル・デュシャンの便器のオブジェがあったのにはちょっと感動した。
ポンピドーセンターを出てもうかなり疲れていたが、マレ地区を通ってバスチーユ広場を見に行った。途中の通りには結構安そうな食べ物屋があって地元民と思われる人々がいっぱいいたので、帰りにもう1回寄ってみることにする。カルナヴァレ博物館の横を通ってヴォージュ広場に抜ける。ヴォージュ広場は元王宮の広場だったということだが、今では地元の人らしき人たちが大勢寝そべっていたり、本を読んでいたりしている。王宮の建物もまだ普通に利用されているようだけど、どうなっているのだろうか?
ヴォージュ広場からバスチーユ広場はすぐだ。だがバスチーユ広場には7月革命の記念碑があるだけで何もないので写真だけ撮って帰る。行きに見た食べ物屋のある地域に寄って夕食を探すが、いまいち気に入ったものがない。人がたかっているのはどうも中東系の食べもののようで、エスニック料理はすべてだめなのでやめておいた。
ひろこはサンポール駅近くの中華料理屋で夕食を買ったが、自分は何も見つからなかったので夕食はスキップすることにした。今日は早起きしてこんなに歩いたのに夕食が食べられないなんて、最悪だ。次回からはこういうときのために外国(アメリカ以外)に行くときにはコスコでスニッカーズをダースで買って持ってくるのを忘れないようにしないといけない。
仕方がないので10時に寝ることにしたが、そんなに早く寝るように体ができていないので1時半に起きてしまった。