2009/06/16

Frozen River

ひろこが借りてきたので特に興味なかったんだけど見てしまった。90分ちょっとしかなくて短かったし、あまりもぞもぞした言い方とか早口の人物がいなくてわかりやすかったので最後まで見れた。

賭け事が好きな旦那にトレーラーハウスの頭金を持ち逃げされてにっちもさっちもいかなくなった貧乏白人のおばさんが、旦那の車を盗もうとしたインデアン女性と組んでカナダからの中国人などの密入国を幇助して必要な金を稼ごうとする。最初はうまくいっていたように見えるが、最後にリスクを犯しすぎて警察につかまり、おばさんは一旦罪をインデアン女になすりつけて逃げようとするのだが、考えを変えて戻ってきてインデアンを逃がして自分が刑に服することにする、といった感じの話だった。これは普通の人間が追い込まれたときいかにして犯罪に巻き込まれるか、とか、最初は利害から始まって最後は人種の壁を越えた友情に発展したおばさんとインデアンの関係、といったことを描いたつもりなのだろう。ただ、おばさんは彼女本人がまともだと思っているのとは異なり、「自分は犯罪者ではない」とか言っておきながら常に銃を携帯しインデアンの家に向かってぶっぱなすなど普通の日本人の常識から考えればかなりやばい人間にしか見えない。最初からおばさんの車を盗んだり犯罪に誘ったりするやばいインデアン女と最後に友達になったのは、要するに類が友を呼んだ、変なやつが変なやつと結びついて終わっただけ、というように思える。話の筋はそれなりに面白いが、感動するような映画ではない。