昨日寝る前に2時間くらいで読めた。200ページくらいだけど読みやすい本だった。内容の要点としては、男性でファッションに興味を持つ人は多いが、実は見かけはいまいちという人が多く、人並み以上のセンスを身につけるには女性から好感を持たれるような服装にすべきである。女性から好感を持たれるファッションとは上品な「セレブ感」のあるファッションで、具体的にはシルエット、カラーコーディネイト、小物などのディテールに気を配って服を購入するとよい。といった感じだろうか。
女性から好感を持たれる必要があるかどうか(女性の視点なんか気にするより好きなもの着ればいいと思うが)、「セレカジ」が他のスタイルに比較していいかどうか、などちょっと疑問が残る部分もあるけど、まあ特に服に特定の趣味がない人が服装の印象を向上させようと思ったら、今の流行にあわせてタイト目のシルエットの服を選び、黒とかダーク系の色あわせに無意味に固執しないような色使いを心がけるというのは、無難なアイディアだと思う。だけど男性カジュアルスタイルとしてはごく一般的なアメカジやミリタリースタイルを否定したり、黒を着ることをことさらに否定したり、特にどちらがいいとはいえないシャツのすそを出すかパンツに入れるかという問題に関してすそを出すのが絶対にだめだというような言い方をしたりするのは、ただ単に著者の趣味を押し付けているだけで一般的に常に正しいというようなものではない。そもそも服装なんて食べ物の趣味と似ていて、一般的な流行り廃れはあるけれど基本的に個人の趣味であり、一概にどれがいいと言えるものではないので、押し付けはよくないと思う。こうした押し付け意見が気に入らないから言ってしまうのだが、そもそも口絵部分に掲載されているスタイルサンプルのセンスがあまりよくないし、さらにモデル代をけちったのかお世辞にもスタイルや顔がいいとは言えない著者自身がモデルになっていいコーディネイトと悪いコーディネイトのサンプルを見せているのは、著者は自信があったのかもしれないけどなんだか痛いぞ。服をいくらかっこよくしても自信過剰っぽいのはなんだかなあ。。。すごくかっこわるい。あと初心者向けのファッションアドバイスという点では、日毎の気温に合わせた服装の選び方、カジュアルスタイルにおける靴の選び方、着回しのきくクローゼットの作り方についてあまり書いていないけどそれらは初心者には必要な情報だと思うがどうだろう。カラーコーディネイトについても結論がアクセントカラーは女性から盗みましょうではいい加減すぎ。たとえばどういう色がアクセントとして使えるか(そんなのいくらでもあるだろう)を例に出して説明する方が親切なのではないだろうか。
ところでこの著者の森井さんという人は「買い物同行」なんていうサービスをしているらしいが、そんな仕事があったことに驚いた。いろいろなことが商売になるもんだ。