語り手の女性は家政婦として働きながら女手一つで子供を育てている。あるとき派遣されたのが事故のために80分間の記憶しか保持できなくなったという数学の老博士の家。博士はこの家政婦の顔さえ記憶できないのだが、事故の前のことはちゃんと記憶しており数学についてのすばらしい知識をことあるごとに披露する。家政婦もその子も博士と数学を通してなんとかコミュニケーションが図れるようになるのだが、最後に博士は80分の記憶さえできなくなり、施設に入れられてしまう。。。
とても面白くて数学もいくらか思い出したが、いちいち途中で問題が出てきて、問題を出されてると読者のこっちも自分で計算したくなってしまうからちょっと疲れた。見事な構成の小説だと思うが、それにしてもなぜ博士がそれほどまでに子供を愛しているのかだけは説明されていないような気がしたが、どこか読み落としたかな?